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外商投資法第35条は以下のように定める:
国は外商投資安全審査制度を構築し、国家安全に影響を与える、もしくは影響を与え得る外商投資に対し安全審査を行う。
法に基づき下した安全審査決定は、最終決定とする。
これは6.8で見た(f-2)’外資によるM&Aの国家安全審査と関連する。
これは、国家安全審査が国の法律レベルで初めて規定されたものである。
外商投資法第35条の内容から分かるように、中国の新しい外商投資国家安全審査制度の対象にはM&A投資だけでなく、グリーンフィールド投資も含まれる。
明らかに、外国投資法第35条の規定だけでは簡単すぎて、外国投資国家安全審査制度の効果的な運用と実施に十分でない。また、外商投資法実施条例には関連する規定がない。
外国投資の国家安全審査制度の具体的な規定、例えば審査手続、審査範囲、審査内容などは別に規定する必要がある。これは、国弁発[2011]6号文、国弁発[2015]24号文などの現行規定(6.8 (f-2)’外資によるM&Aの国家安全審査の発展 参照)の基礎の上に制定される可能性が高い。
第35条第2項は、法に従いなされた国家安全審査の決定は最終的なものとしており、国家安全審査を担当する部門の決定に対しては行政不服審査をすることができないと理解すべきである。
しかし、国家安全審査を担当する部門の決定が裁判所で争えるかどうかは明らかではない。これが否定されれば、投資家が安全審査決定に不満がある場合、唯一の考えられる方法は苦情処理制度ということになる。しかし、これはあまり実際的な解決策ではなさそうである、なぜなら国家安全審査は、苦情処理を行う行政機関よりも上級の行政機関によって行われるだろうからである。この点は明確化される必要があるが、一般的な見方は、国家安全審査に関する決定は裁判所で争えない、というものである[1]。
👉6.8
[1] (孔 他) 160